コース

一人ひとりが
手間をかけた管理を当たり前にする

長崎国際ゴルフ倶楽部

少人数でゴルフ場管理をしてきた長崎国際ゴルフ倶楽部。
人手の足りない中で名門としての管理を続けてきたグリーンキーパーの中村 志郎氏に、コース管理に関することについてお話を伺ってみました。

更新日:2020年09月16日

中村 志郎氏

長崎国際ゴルフ倶楽部 
コース管理事務所所長 兼 グリーンキーパー

中村 志郎 氏

1982年長崎国際ゴルフクラブ管理棟に勤務開始。2009年からグリーンキーパーに昇任。

コース管理に関してどこに力を入れていますか?

一番はグリーンの刈高です。競技前に合わせて調整していくというわけではなく、大会が突然来ても少し前から準備できているように普段から管理を心がけています。
刈高は2.6mmくらいで管理しています。昔から長崎国際ゴルフ倶楽部では、刈高を低く設定しており、そうすると植物なのでそれに適応して細くなってきます。逆に刈高を上げれば芝は寝てしまいます。寝かせたらその方向に順目と逆目がつきます。剣山のように隙間なく硬く立てて、そして低く育てれば、順目と逆目があまり立ちません。
刈高を下げるために、目砂は年間10回程入れています。何故かと言うと目砂を入れないと軸刈りになってしまうからです。軸刈りをすると高麗芝は枯れてしまうので、軸刈りをしないためにも目砂を入れます。特に夏場、6・7・8月は施肥をして抑制剤をかけると、目数が増えます。目数が増えると目砂が入る隙間がなくなるので、バーチカルで間引きして砂が入る場所を作るという手間がかかります。

重要なのは普段からやっているかどうかです。競技が決まったからといって、それに合わせて一ヶ月前からしていても間に合いません。普段からしていれば、競技が決まっても慌てることはありません。
私だけでなく、他の作業員もそうしなくてはならないことをわかっていますし、それが当たり前だと思っています。
また、長崎国際ゴルフ倶楽部では大会が多いので、皆大会慣れしていることも大きいと思います。一年に一度は大きな連盟の競技がありますし、総支配人にも、7月以降ならいつでも大会を持ってきていいですよと言っています。毎年大会があれば緊張感もモチベーションも違うと思います。
これが当たり前になっているから良いのだと思います。レベルが高いとかではなく、これが普通だと従業員皆が思っているのです。

ゴルフ場管理において、今まで大変だったことを教えていただけますか?

乗用機械を使っているので、グリーンに油漏れしてしまうということが数回ありました。人が少ないので、朝から5人ほど必要になる手刈りはできません。乗用機械を使うと2人でいいので、他の仕事にまわせます。大会前でも手刈りはしていませんし、グリーン外周も週に3回しか刈っていません。外周を刈る時、乗用機械は同じ場所を通ります。乗用機械の良くないところなのですが、毎日すると乗用機械が通った部分はへこんでしまいます。本当は外周を手刈りで刈るべきでしょうが、人も足りていませんし、それをするのであれば清掃作業をさせて、コースの他の部分を綺麗にしたほうがいいと思っています。
昔は人も機械も足りず残していた刈りカスも、今はブロワーで綺麗にしています。グリーンに限らずフェアウェイやラフも綺麗にしています。

8番ホールグリーン

綺麗に清掃されたグリーン周り

今のコースをどう評価していますか?

良くないですね。雑草が多いです。
ティーの中もラフの中も雑草が多いので除草剤を撒いています。去年もそうでしたが、今年は雨でなかなかまけず、週一でラフを刈って目立たなくしています。雑草は長くなると気になりますが、低く刈れば目立ちません。
長崎国際ゴルフ倶楽部では刈り込みが第一でその次は清掃です。ですから、作業の優先順位的に除草剤を撒くのが遅れます。人がいれば余裕ができますが、やりたいことはキリがないほど出てきます。

これからの管理の目標は何ですか?

まずは、先ほども言ったような除草剤や成長抑制剤を上手に撒きたいです。一度ティー周りに抑制剤を撒いてみたのですが、うまく行きませんでした。様々なことにチャレンジしていますが、失敗することも多々あります。ですが、去年撒いて失敗した葉面吸収剤が今年は成功しました。撒くタイミングなどが良かったのだと思います。
こういったタイミングやポイントは各コースによって変わってきます。うちのコースが良くても他のコースでは効かないということもありますし、そういった情報交換ができればいいなと思っています。薬の組み合わせなども、より良い組み合わせがあるかもしれません。なので、他のコースのキーパーとそういった情報交換ができたらいいと思っています。

グリーンの張り替えやバンカーの改修などもやりたいと思っています。グリーンはもう30年以上経っているので、同じ種類の芝でも芽が開いたものなど色々混じっているので張り替えたいと思っています。過去数カ所張り替えたときは、仮グリーンはベント芝で作りました。そうするとお客さんはいつもと違うベント芝で楽しめますし、その間にグリーンも養生できます。
また、バンカーは場所を変えたいと思っています。50年前に作ったものなので、最近の長い飛距離ではまず引っかかりません。ですので、場所を変えて引っかかるような位置に作らなきゃいけないという話はしています。
女子プロの大会もやりたいですね。そういった大会があれば、皆のいい経験になりますし、お客さんもきてくれると思います。上を目指せば、やりたいことは無限に出てきます。

長崎国際ゴルフ倶楽部

住所:〒854-0054 長崎県諫早市小ヶ倉町51

予約番号:0957-22-4086

ホームページ:http://www.nagasaki-golf.jp/

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